日々読んだ本(漫画、映画、例外的にテレビドラマ)の感想を、
ネタバレあり、粗筋なしで書いています。
批評批判は目的ではなく、個人的な感想文です。
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『ぜったいに飼ってはいけないアライグマ』

【さとうまきこ 理論社】

 

児童作家の著者がアライグマを衝動買いした顛末を綴ったもの。

この本が出たのが99年、著者がアライグマを買ったのが90年で、まだ当時インターネットもなかったし、今ほどアライグマが害獣として知られてはいなかっただろうが、こういう無知がアライグマを害獣にしたんだなぁというのがよくわかる一冊。

 

著者の愚かさ(CMで見たアライグマが可愛くて衝動買いし、エサはパンやスナック菓子)は腹立たしいばかりだし、ここに登場する著者の飼うアライグマや、近所の人が飼っていたアライグマが可哀想でならない。

確かに死ぬまで飼っただろうが、行間からは何の愛情も感じないしアライグマを知ろうと言う気持ちも感じられなかった。

 

今また、エキゾチックアニマルの飼育が流行っているようで、時代は繰り返すのだなと。

『いつか僕もアリの巣に』
【大河原恭祐 ポプラ社】

主にアリの研究をしている著者のアリの入門編のような本。
表紙のアリとか、中身のイラストとか、活字の茶色とか、装丁が色々と可愛いので読んでみました。
まぁ、表紙のアリはアリ嫌いには駄目かもしれないけど。

半分くらいまで読んではたと、もの凄いマニアックな本読んでるんじゃないだろうか、私は・・・とちょっと我に返りましたが難しい内容ではありません。
非常に噛み砕いて、アリ全般のことを色々と書いています。
ただ、本当にアリのことしか書いていないので、先日読んだ『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!』というように、大学周辺の話しや、ちょっとした事件はほぼないです。
採集の過程で刺されたとか、学生へ出す課題のこととか、ちらっと触れられてはいますけれども。
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『先生、シマリスガヘビの頭をかじっています![鳥取環境大学]の森の人間動物行動学』
【小林朋道 築地書館】

『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!』の続編とでも言いますか。
タイトルにもなっている、ヘビをかじるシマリスの話しが興味深かったです。
そんなことをするんだなぁと。
あとは、前作の時同様、津生島の話しが楽しいです。見てみたい。
犬とネコの話しもあり、コンラート・ローレンツの著書の話しが出てきて、やっぱりあの本を読むとこういう道に入りたくなるんだなぁと。

佐々木倫子が漫画化してくれないかな。
ノンフィクションなんですが、この本は。
『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!!鳥取環境大学の森の人間動物行動学』
【小林朋道 築地書館】

タイトルどおり、鳥取環境大学の先生が書いた本です。
鳥取版『動物のお医者さん』みたいな。
獣医学部ではないですが、野生動物絡みの事件が綴られています。

自然に囲まれた環境にあるため、タイトルの通り巨大コウモリが構内に闖入してきたり、捕獲したヘビとハムスターが同時に逃げ出してしまったり、大学のヤギ部の話しなど、動物好きにはエピソードのどれもが興味深い。
鳥取環境大学楽しそうだなーと羨ましくなる。

動物のことだけではなく、動物行動学と人間比較行動学が専門ということで、動物に対してどうして人間がそのように思うか、そのような行動に出るのか、といった人間サイドの仕組みの解説もあり。
人間が生物や生物同士が作り出す様々な関係に魅了されることは、特に珍しい特性ではなく、バイオフィリアと名づけられている特性だそうで、野生動物見て感動しちゃうのはそういうことか〜と説明されると納得するとともに、感動の元を論理的に説明されるのってなんかこう釈然としないなぁとも思いますが。

楽しい一冊でしたが、難点が一つ。
写真が下手。
生きてる動物を撮るのは難しいのだとは思うけれど、ボケてるのとか近いよ、とか。せめてカラーだったら見やすかったのになぁ。
『アフターマン 人類滅亡後の地球を支配する動物世界』
【ドゥーガル・ディクソン 訳:今泉吉典 ダイヤモンド社】

『フューチャーイズワイルド』より前に出版された本なので、同コンセプトの『フューチャーイズワイルド』の方が洗練されてるかなぁという印象。

人類が滅亡して、5000万年後、地球上の生物はどのような進化を果たしているだろうか、という本。
一つ一つイラスト付きで、ともすると普通の動物事典でも読んでいるような錯覚に陥りますが、全て推測される動物の姿なのです。
2億年後を扱ったフューチャー〜の方が、大胆な進化をしているので、読み物としては後者を読んだ方が面白いと思う。

生命のしたたかさと強靭さがありありと伝わり、わけもなくこのシリーズは感動してしまう。

50億年後、太陽の水素は燃え尽きてしまい、地球上の生命は絶えるかもしれないが、他の惑星で生命の進化ははじまり、生命は何らかの形で、つねに宇宙のどこかに存在することはほぼ間違いないと結ばれている。
それが地球上の生物ではなくても、人間でなくとも、ましてや自分となんの繋がりがない生き物であっても、どこかで生まれる生命に思いをはせると何ともいえぬ愛しさが沸く。
『鳥類図鑑』
【絵・文:本山賢司 東京書籍】

鳥類図鑑という名前がついており、野鳥のイラストと簡単な生態が書いてありますが、本山氏の各鳥に関するエッセイ的な要素の強い説明文が普通の図鑑と一味違います。
本格的図鑑を期待すると、不満があるかもしれませんが、本山氏の文章がユーモアあって楽しい。

「後頭部の冠羽のせいで、キンクロハジロは威勢のいいあんちゃんのように見える」とか「ほかの鴨にくらべてオシドリのオスは、すこぶる派手だ。何だか怪しい。すると、どうだろう。オスはヒナの世話をメスにまかせっぱなしにして、越冬地へ移っていってしまう。新しいメスを探して、つがいになるためである。いちどつがいになった相手とは、決して一緒にならないという徹底した輩もいる。やはりにらんだとおりだ」とか書いてある。

なかなかおもしろい一冊です。
『ソロモンの指環 動物行動学入門』
【コンラート・ローレンツ 訳:日高敏隆 ハヤカワ文庫】

タイトルどおり、動物行動学者(刷り込みなどの理論でノーベル賞受賞)の作者の著作ですが、入門書というよりも、エッセイに近いものがある。
非常に読みやすく(訳し方も大きく影響してると思う)、章ごとにコンパクトにまとまっています。
動物、生き物が好きな方、興味のある方ならばきっと楽しめる一冊でしょう。

まず、一章「動物たちへの憤懣」を読めば、ローレンツ氏がどのように動物達と接しているのか、どれほど好きかがわかります。
ローレンツ氏が動物達へ感じる愛情や、動物から受ける感動がそのままに綴られていて、暖かな感動を感じます。

座右の書にしたい一冊でした。
『樹海の歩き方』
【栗原亨 イースト・プレス】

『廃墟の歩き方』で有名(と言えるほど有名かはわからないが)の著者が、樹海に挑戦した本書。
樹海にまつわるいろいろな伝説を検証しつつ、樹海探索している本、なのかな、と思ったのだけど、微妙に違うような空気が読んでいる間も読み終わった後も感じます。
なんでかな、と思い著者のサイト(http://www2.ttcn.ne.jp/~hexplorer/)で樹海のページを見たら、どうやらそもそも、樹海探索よりも、死体探しの方がメインっぽかったよう。

ただ、読み終わって自殺体の話がメインになるのも仕方ないのかなという気もしないこともない。
36日間探索して(ずっと彷徨っていたわけではく、合計での日数)37体の遺体を発見したのだから、本当に自殺の名所なんだなと納得。
 
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『フューチャー・イズ・ワイルド 驚異の進化を遂げた2億年後の生命世界』
【ドゥーガル・ディクソン ジョン・アダムス 訳:松井孝典 土屋晶子 ダイヤモンド社】

1億年後、2億年後、地球がどう変化して生物が進化するか生物学と進化論にのっとって、専門家たちが予測したもの。
とても面白く読みました。
1億年後、2億年後、生きていられるものならこんな生物を見てみたいものです。

しかし、何百万とか億年とかの単位で物事考えると全てに大らかな考えになりそうで、ちょっと危険。
500万年後には氷河期がきて、人類は滅亡しちゃうんだし・・・とか。
ただ、この本によると次ぎの大量絶滅の原因は人間が作る(現在進行形)そうですが。

さまざまな生物の姿がCGによって描かれ、克明に描写され、まるで1億年後の世界を見てるような気持ちになります。
生命の進化、弱肉強食の世界や、刻々と姿を変える地球は感動的。
インパクトのある一冊でした。

私は、象以上の大きさに進化した1億年後のカメが見てみたい。
2億年後に最高知性を持つのはイカだそうです。にわかには信じられませんが、そんなこともあるんでしょうねぇ。
イカを食べる時は2億年後のことも考えてみようと思います。