【有栖川有栖 文春文庫】
火村&アリスものの短編集。
国名シリーズの短編に比べるとなんとなくまとまり悪い色んなところに掲載された物をあつめましたみたいな印象のする一冊。
「長い影」
ミステリにおいて容疑者の中に渡航経験のある奴がいたら、ああ時効停止してるんだなって思う。
なんとなく冒頭からわざとらしい話しだなぁと。
「鸚鵡返し」
火村先生の語りというちょっと珍しい一編。
話しの内容より二人で電車乗ってどこ行くのかなっていうのが気になる。
「あるいは四風荘殺人事件」
死んだ作家の書きかけた推理小説の謎解きをする話し。
ちょっとメタな感じもするけど、死んだ作家が本当に本格推理を書いていたのかはわからないよね、ってことが気にかかるけど、そういうところも含めて、なんだろうね。
「殺意と善意の顛末」
いきなり犯人を指摘するところから始まる。
有栖川有栖っぽい一編だなぁ。
「偽りのペア」
酒飲み話しにちょっとした話しを披露する火村先生。
「火村英生に捧げる犯罪」
と言いながら、重要だったのはアリスの方だったという。
大げさなタイトルで肩透かしさせるパターンの。あとがきで有栖川先生も言ってた、〜に捧げる犯罪系のタイトルはだいたいそうだよな。
たまにはアリスが一人で解決してもいいよ。がんばれ。
「殺風景な部屋」
一人でできるもん、じゃないけど火村先生の到着が遅れる話し。
結局、解決するのは火村先生だけど。
「雷雨の庭で」
綿密に検死と現場検証したらわかるんじゃないかっていう気がしてしまった。