日々読んだ本(漫画、映画、例外的にテレビドラマ)の感想を、
ネタバレあり、粗筋なしで書いています。
批評批判は目的ではなく、個人的な感想文です。
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『文藝春秋4月号』
【文藝春秋】

今まで雑誌の感想などいちいちここで書いていませんでしたが、今回ばかりはどうしても
ど う し て も
書きたいので書きます。
この機会を逃したら書く機会もなさそうだし。
文藝春秋と書きましたが、書きたいのは今回載っている高村薫短編『カワイイ、アナタ』についてです。
他のページ、読んでませんが、文藝春秋、表紙どおり渋いです。
特集が「皇太子と雅子妃苦悩の決断」です。
なかなかおいそれと感想など言えるものではありません。

そんなわけで、高村薫短編の感想です。
何しろ高村女史なので、これが何時の日か本になるだろうなんて思っていたら、痛い目に合うことは目に見えているので、読みたい人はこの期に購入して読んだほうがよろしいかと思われますよ。
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『リヴィエラを撃て 下』
【高村薫 新潮社文庫】

読んだなぁ・・・。

『神の火』や『黄金を抱いて翔べ』を読み終わった時と同等の、寂寥感の残る終わりでした。
いや、下巻の怒涛の運命は、随一と言えるかも。
高村小説を読むとぐったりします。
恐るべき充足感に読み終わるといつも疲労してます。

上巻の冒頭でジャックが死んだ時、その頃はジャックがどういう人物かを知らず、またどうして殺されるのかもわからなく、特に何も思わなかったのだけれど、ずっと通して読み続けると、ジャックの死の無残さがよくわかる。
なんだか二度、ジャックを失う気分。
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『リヴィエラを撃て 上』
【高村薫 新潮社文庫】

昨年末から読み始め、ようやく読み終わりました。
上巻が。
ですので、前半の細かい記憶が遠くなっています。
下巻はするすると読もうと思っております。

高村処女作です。
デビュー作は黄金を抱いて〜ですけれど、書いたのはこちらが先だったと記憶している。
ストーリー的なことは、正直あまり理解していないです。
えーと、リヴィエラって誰なんだ?という話??
キャラクターの名前もいまいち把握できておらず。
けれども、高村要素が凝縮された一作という印象を受けます。
そして、女性陣が存在感を出していて意外というか、初期の頃は女性も書いていたんだなぁと。
苦心しているような雰囲気はなきにしもあらずですが、強くて美しくて、儚いです。

男性陣は、相変わらずの歪みっぷりというか、壊れっぷり。
噂の、ダーラム候と美貌のピアニストは、高村キャラの中でも群を抜いた存在感を感じます。
存在感というか、突き抜けてるなぁというか・・・。
片方だけでも十分なのに、二人セットにしてくる女史に完敗。

先日のIRA武装闘争終結宣言、これを読んでいなかったら聞き流していただろうなぁ。
『レディ・ジョーカー』
【監督:平山秀幸 日本】

まずは真面目な感想からいきますか。

率直に申し上げると、面白くない映画です。
シーンがぶつぎれで、全くよく分かりません。
原作を知っていないと、理解するのは無理かと思われます。
また原作ファンなら楽しいかといわれれば、広い心で楽しめるファンなら観てよいと思いますが、基本的に家で観たほうがよいように思います。

原作は、犯人グループ、企業、警察、記者の4つの視点で描かれていましたが、映画化の際に記者の視点が削られました。
私はもう少し思い切って、警察サイド、つまり合田さんも削ってよかったと思います。
そして半田に合田さん的要素を持たせれば、もう少しすっきりしたんじゃないかと。
この映画に、合田さんはいらないです。
護衛役もぜんぜん意味なかったです。合田さんの部分をがっつり削って、そして半田と合田さんを足して二で割ったようなキャラを作ればよいのに。
名前も似てるし(字面だけだろ)

映画の斜陽時代は、日活が作ったんじゃないのか。そんなことを思わせる出来栄えでした。監督のセンスもあるんだかないんだか。
脚本もよくまとめたというより、ダイジェスト。原作ままをやるなら、映画にする必要はあるのか。
監督や脚本家なりの解釈が見られませんでした。そういう点では、映画マークスの方が出来はいい。
(原作読んでいないと意味が分からないという点ではどっちもどっち。マークスは原作読んでいるとより意味不明な部分があったけど)

さて、ここからはなんの参考にもならないであろう感想。
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『マークスの山』
【監督:崔洋一 1995年 日本】

言わずと知れた高村薫原作の映画化。ビデオ屋で発見したので観てみました。
なんでR指定なんだろう・・・と思いつつ。
高村といえばストイックな文面のイメージがあるので、どうもR指定というものと縁が無いような気がして。
観てみたら、別に中学生観たっていいじゃん、と思いましたけど。私基準だからですか。
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『レディ・ジョーカー 下』
【高村薫 毎日新聞社】

すっかり寝不足です。
でも眠いのに眠れません。
女王はやはり偉大だった・・・
相変わらず合田さんに夢中すぎて、今回ばかりは公平にこの本の良し悪しは述べられません。
え、いつも偏ってる?そんなことはないと…

読み終わって、ああ記憶をすっかり無くしてしまいたいなぁ。そうしたらもう一度何も知らないままこの本を読んで楽しめるのになぁと思いました。
再読したって面白いことに変わりはありませんけれど、初めて読んだときの興奮とか衝撃は徐々に失われていきますから。
面白かった。それにつきます。
どこが、とか、どう面白いというのは、今の私が説明すると合田さんのことしか話さないのでやめときます。
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『レディ・ジョーカー上』
【高村薫 毎日新潮社】

合田さんが好きだ!

『照柿』に引き続き、お前はそれしか言わないのか、というかんじでありますが、上巻なので内容については置いておこうかと。
高村小説の前半って非常に業界話が濃厚で、展開としては遅い。
雰囲気としては『黄金を抱いて翔べ』と合田シリーズのおいしいとこが合わさった感じ。面白くないわけない。
社長誘拐事件、しかし人質は社長ではない、というあたりなるほどなぁと。
下巻もいろいろ犯人側の周到さに感心しつつ、合田さんの疲労困憊ぶりにやきもきするんでしょう。
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『照柿』
講談社
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(1994-07-11)

【高村薫 講談社】

高村は本当にゴツイです。読むのに一週間近くかかりました。
おかげで今週は寝不足気味です。
文庫化を待っていたのですが、古本屋で2000円が500円だったから購入。
それと、この本をなかなか読まなかったのは、合田さんが一目惚れに苦しむ話だから。
あんまり気が進まなかったんですよね。
合田さん大好きなんですよ。
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『地を這う虫』
【高村薫 文春文庫】

初めて読む高村の短編。
一言で言うなら、渋い。
サラリーマンのおじさま方が読んで何かしら得るような渋さがありました。
いやぁ、沁みます。なんとなく。

ところで、高村「田の法則」は短編にも有効だったみたいです。

田岡 「愁訴の花」
岡田 「巡り合う人びと」
沢田 「地を這う虫」

「父の来た道」も○田だと思ったんだけど、どこに苗字の記述があったか分らなくなってしまいました。
「田岡」だけがイレギュラーですが、しかし、二話目が「岡田」というのも・・・高村女史、あまりネーミングにこだわりがないんでしょうか。
キャラが薄い作家ではないと思うのですが、どういうわけか名前にこだわりが見られません。
それとも、主人公に「田」はやはりマイルールなのか。

4話とも、元刑事が主人公。枯れているようで枯れていない男たち。
「愁訴の花」が好きでした。

あまり本に書いてある粗筋はあてにならないと思っているのですが、この本はなかなか上手いと思います。
『黄金を抱いて翔べ』
【高村薫 新潮文庫】

古本で買ったから、細かい傷がついているのかと思ったら、基板の柄なんだね。表紙の黒地。

さすが女王高村だな、という感じ。
なんの女王なのか知りませんが、巷でそう呼ばれているのもわかります。
高村の小説は、後半のカタストロフィーに向けての盛り上げ方がうまく、いつも一気に最後の行まで読まされます。
今回もそうでした。
そして読み終わったあとの、なんとも言えない気分。
感動ともちょっと違う感慨があります。
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