日々読んだ本(漫画、映画、例外的にテレビドラマ)の感想を、
ネタバレあり、粗筋なしで書いています。
批評批判は目的ではなく、個人的な感想文です。
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『つくるひと デコ』
 【ラーメンズ 太田出版】

ラーメンズの、片桐さんと小林さんがそれぞれにいろんな業界の人にインタビューするQJのコーナーをまとめた本。
2002年発行なので、ひたすらラーメンズの二人が若いなぁという感じです。
結婚したい!と騒いでる片桐さんも今ではちゃんと結婚してるし(小林さんも)
誰とどんな対談しても、思考が自分の仕事に直結する小林さんと、何もかもが趣味で楽しんでる片桐さん、という対比がおもしろかったです。
ラーメンズに興味ある場合は小林さんパートが面白いだろうし、特にラーメンズ知らなかったり興味薄い場合、片桐さんパートの方が面白いかもしれません。
私は片桐さんパートが可愛いなぁと思って好きだったけど。
冒頭のラーメンズのつくりかたパートがなんだかんだで一番興味はありました。

私もいまだに、体操着忘れる夢を見るんですよね!片桐さんと一緒で。
社会性ないのか・・・私も。
『萌えの死角』
【今市子 KARENコミックス】

今市子さんのBLっぽいことを語るエッセイ。
正直、文鳥エッセイのほうが面白い。
文鳥>萌なのか、今市子!?
今市子ファンなら読むと、市子さんはナマモノ系だったんですねぇと思う一冊です。
個人的には、ハゲタカの話しを5ページくらいしてくれてもよかったのに・・・と思う。

市子さんがオーソドックスな組み合わせしか思いつかないのは、おひつじ座だから?と書いていたのだけれど、マイナーばっかり思いつく私もおひつじ座です。
そういえば、確かにオーソドックスな組み合わせが多いけど・・・それ以前にキャラクターの性格がやや変なのが今市子作品なので、オーソドックスであることに気づかなかったな。

相棒の話しやら、懐かしい感じの洋画の話しやら(ベンハーてそんな話しだっけ!?)みたいなことがあって参考になります。なんの参考だ。
『あのひととここだけのおしゃべり』
【よしながふみ 太田出版】

よしながふみの漫画に関する対談集。鼎談もあるけど。
意外にも、かなり少女マンガに関する話しが多いです。
24年組を不勉強な私は、いまいち実感がわかないことが多々。
ぼちぼち読んではいるのですが、24年組の印象は一様に、怖い、なのでどうも大量に読めない。
でも、この対談でよしながふみが24年組の影響を大きく受けているというのを知って、ああ、私がよしながふみの漫画に感じる怖い感は、24年組に感じるのと同じものだな、と納得。

漫画の印象から、よしながふみってもっと怖い人というか、ストイックというか、鋭利な印象があったのですが、そういう厳しさは自分に向けられるもので、他人に対しては非常に大らかなのだなぁと感じました。
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『シュミじゃないんだ』
【三浦しをん 新書館】

直木賞作家にして腐女子代表の、三浦しをんのBLエッセイ。
まだこれを書いていたころは、売れっ子でもなんでもない、駆け出し作家だったようですが。
でも、わりと最初から恵まれてた作家だったという記憶がありますけども。

毎回テーマに沿ったBL作家および作品を紹介していく、BL漫画ブックレビューという側面の強い本書。
BLを愛する人ならば、きっと強く拳を握り締めて、「その通り!」と叫ぶこと請け合い。
それとも、私が三浦しをんの趣味嗜好と合致し過ぎているのやもしれませんが。

どの章、どのテーマをとってみても、よく言ってくれた!と思うことしきりで、正直激しく同意しすぎて読み終わる頃には疲労困憊。
特に1章目のリバーシブルについてと、3章目のハッピーエンドについて、6章目の女の子についてあたりは、BLを書く者はみな読め!と言いたいほど。

そうは言うものの、やや見解の異なる部分もあり、8章の耽美とボーイズラブの違いは、作者の美意識の違いじゃないかと思うけど。
そしてサラリーマンが出てきたらやっぱり耽美じゃないと思う。

共感しすぎて言及したい部分がたくさんあるのだけれど、とりあえず小説編も出して書いて欲しいなぁと思いました。

にしても、ここまで共感しておいて、やっぱりしをんの書く小説はどうもツボじゃない。
書き下ろし最初で最後のBL小説も載っているのだけれど、違うんだなぁ。
まあ、それは本人も重々承知しているようなのですが。
読むと書くとじゃ大違いなのですね。

読んでいて、BLにどうして惹かれるのかというと、それはもう一口で言えるものではないのですが、全てのジャンルを内包することができて、なおかつ複雑な人間関係を描けるジャンルだからなのかなぁと思ったりしました。
多くのBLはその自由さを生かせていないのが残念なのですが。
『とるこ日記 “ダメ人間”作家トリオの脱力旅行記』
【定金伸治、乙一、松原真琴 集英社】

サブタイトル通りの本です。
私は乙一氏しか読んだことがないのですが、だからといって面白いわけでも、また面白くないわけでもなく、知ってるからと言ってこれ以上おもしろくなることはない、そんな感じです。
ダメな友人の、やる気のない旅行記を読む感じです。
第一線の作家が買いたものだと思うと、いささかオイオイと言いたくもなります。

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『とりぱん 1』
【とりのなん子 講談社モーニングコミックス】

先日、新聞に書評(というほど大げさなものでもないが)が載っていて、気になったので読んでみました。

あ、ちなみに、新聞の書評を特に贔屓にはしていません。あくまで参考。
実際に読むところまでいく本は本当にまれです。

帯に
「ちょっと変わってて、少しクールで、割と背が高い、北の町に住んでるイトコからの手紙、そんなような漫画です」
と書いてあるのが上手いなぁと思います。
エッセイ漫画で、おもに庭にやってくる野鳥の観察が内容ですが、それは、作者の生活の中心がそれだから、という気もします。
なんだかとてもいとおしい気持ちになる漫画でした。
バードテーブル立てたくなります。
我が家にもあったのですが、風でなぎ倒されました・・・。
作者の住んでいるところ並には、自然にあふれてます。
アオゲラが本州以南にしかいないと書いてあって、ちょっと寂しい。
・・・アカゲラはいるんですよ。めったにお目にかかれませんけど。

モーニングはセンスがいいなぁ。
『第一阿房列車』
【内田百痢/慶文庫】

表紙が素敵だなぁ。
写真もそうだけど、デザイン的にも好き。色が。
はと可愛い。

年に一冊、百鬼園先生という感じですが、今回も小説ではなく紀行文。
一風変わっているのは、

「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」

という一文から察せられるように、なんの用事もなくふらっと、汽車に乗りヒマラヤ山系くんを連れて汽車の旅をする先生。
前もって切符を買っておくのはわずらわしい、どこか観光するのはいや、みんなが行くようなところには行かない、そんな徹底した頑固さで先生流の旅は進行していきます。

頑固な先生とのらくらとした弟子の二人旅は、うらやましいほどのんびり。
旅行といえば、あっちもこっちもと行ってしまう私は、次の旅行からはどこにも行かないというのもありかもしれないな、と思ったり。
・・・でも行っちゃうんだよな。
『犬』
【川端康成他  中央公論新社】

クラフト・エヴィング商会プレゼンツ、という作家たちの犬にまつわる随筆集。
クラフト・エヴィングなので装丁がシンプルで可愛い。

時代背景もあるのでしょうが、妙に湿っぽかったり、美談にならず、淡々とどの作家も犬との生活やら、犬への愛情を綴っていて良いです。
川端康成の「愛犬家心得」なんてよいですね。

志賀直哉のクマや、徳川夢声のトム公が特に可愛いわんこでした。
急に志賀直哉への好感度がUP。

犬大好きですけど、最近のペットブームにはついていけない私にはこのくらいの、犬と人間との距離感がよいです。
『犬ぐらし』
【遠藤淑子 白泉社】

遠藤淑子は、その昔私が花とゆめを購読していた頃に、『マダムとミスター』が連載していて、それをちょろちょろと読んでいた以来です。
低めのテンション(佐々木倫子っぽい)と、下手・・・?と言いたくなる絵なんだけど、なんとなく面白いような。
味わいのある、花とゆめでなければ載っていなさそうなタイプの漫画でした。
あの頃はまだ、面白かったな・・・。花ゆめ本誌。

本書は、遠藤淑子とわんこの暮らしを綴ったエッセイコミックです。
生後6ヶ月も過ぎて、まだペットショップのゲージに入っている、ナナっちと運命の出会いをしてしまって以降、天真爛漫な性格に苦労させられる日々が綴られています。
犬を飼ったことがない人、縁がない人が読むと、ナナっちはアホ犬に見えるかもしれませんが、利口な部類に入ると思う。

雪の日の散歩で雪球ができるというあたりで、飼っていた犬のことを思い出したりしつつ、笑いながら読みました。
この本の印税がナナっちのエサ代になるならそれもまた良し。

ところで、最初に「この作品はフィクションです」とあったのですが、エッセイだよね・・・?エッセイ漫画にはこのフレーズ入っていなかったと思うのだけど。『文鳥様と私』とか『絶望に効く薬』には入っていなかったから。
この漫画、フィクションなんでしょうか。
『絶望に効く薬4』
【山田玲司 小学館】

もう4巻まで来たのですが・・・・。
巻を追うごとに、なにか妙にずれてきた感じがするんですが、なんでしょうね。
前の巻だったかで、山田玲司が「方向が定まった」というようなことを書いていたと思うのですが、それがもうなんだか決定的に間違っていたような気がするんですが。

今回の巻は、褒めて認める、というのが結論だったようで、そう書かれるとまた反論しにくくて困るのですが、違和感があるんだよなぁ。山田の言う事。

対談相手は相変わらず、凄い人たちばっかりなんですが、多分、違和感の正体は、対談相手の言った内容が正確なニュアンスで漫画に起こされていないのではないか?というものだと思います。
そりゃあ、漫画にするのだから山田なりに理解して漫画にするわけですが、なんだか、相手の言う事全肯定なのが、気になるのですよ。

そこでまあ、ちょっと、山田が一番思考停止してないか?と疑問が沸くのです。
凄い人に会いすぎて自分を見失っているんじゃないかという気がしてきた、4巻でした。
そろそろ小林よしのりと会ったらどうでしょう。よしりんの方が、圧倒的にあくが強い印象ですけど。
特にゴー宣ファンというわけではないですが、面白いとは思うよ。

今回一番の至言は「山田さんの矛盾を突いてくる人が出て来ると思いますけど・・・」(糸井氏)かなぁ。
多分、もう突いた人は何人かいたんじゃないかという気がしますけど。
あとは整体師の寺門さんが面白かった。
しかし相変わらず似てない絵だな。似せる気がないんだろうか。