日々読んだ本(漫画、映画、例外的にテレビドラマ)の感想を、
ネタバレあり、粗筋なしで書いています。
批評批判は目的ではなく、個人的な感想文です。
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『播磨灘物語 4』
 【司馬遼太郎 講談社】

前半は中国攻めで、後半は中国大返し。
そして最後にちらっと、秀吉が天下を取った後のことが。
この巻は官兵衛がどうのという感じはあまりなく、中国攻めも毛利方の視点の方が多いし、本能寺以降はまとめに入ったというような駆け足感。
官兵衛小説は、救出されて以降、作家が盛り下がるという傾向が。

しばりょが、あとがきで、友人に持ちたかったと言うように、過大評価されるわけでもなく過小評価でもなく、まさに中才の普通に一人の人間として描かれていて、人物像としては好きでした。
細々したところで、それ違うよ、と思ったりしたけど。
あと、息子の長政の扱い悪いな。
一人息子愛してなかったわけはないと思うんだけど。
あと、又兵衛の方を可愛がったというのも違ったと思うけど。
『播磨灘物語3』
 【司馬遼太郎 講談社文庫】

大変、ちんたらちんたら読んでるけど、面白くないわけではなく面白いのでちんたらと。
ただ、3巻は前半官兵衛が監禁されてるターンなので、若干退屈にならないでもない。
あの、藤の花エピソードは後世の創作だろうとは思うんですが、やっぱりどうしてもしばりょであっても入れたくなるもんなんですねぇ。
美しいエピソードだものねぇ。
投獄中の唯一の出来事と言ってもいいくらいだし。
私は官兵衛が行方不明になったあとの、官兵衛父のシーンがいつも好きです。
父上かっこいい。

官兵衛は性急に織田方に着くことを決めすぎなんじゃないか、別に織田に着いていなくてもよかったんじゃないかってたまに思うんですが、播磨灘では初めて、そのことについてちょっとだけ触れていて安堵。
しばりょはエピソードの拾い方が細かいなーと思う。

本能寺まで行くかと思ったら、四国攻めの辺りまでで3巻終了。
『播磨灘物語2』
 【司馬遼太郎 講談社文庫】

ようやく秀吉に会う官兵衛。
他の小説だと、秀吉に信長への案内を頼むのが主流なのだけれど、これは荒木村重っていうのが伏線としていいですね。
急に荒木村重出てくるのが多いから。
あと、秀吉に最初に会った時に、だいたい半兵衛にも会うのだけれど、秀吉に会ってからしばらくして半兵衛に引き合わされるのも珍しい。
しばりょはあまり半兵衛と官兵衛の関係性には重点置いていないのか。
でも、出会えて喜んでいるのは半兵衛の方というのもまた、他とは逆かな、と。

2巻後半は、播磨の情勢が多くなって、官兵衛あんまり関係なくない?という、しばりょ節。
で、最後ようやく村重の謀反が。
なんというスローテンポ。
若官兵衛時代が好きなのでいいですけど。
『播磨灘物語 1』
 【司馬遼太郎 講談社】

黒田官兵衛の若かりし頃から、というかさらに遡って祖父の代からのスタート。
他にも祖父から書いてる小説があったけど、しばりょの影響かな〜という気がします。
初っ端から、「官兵衛は、しばらく出ない」と言って、黒田家由来の土地をぷらぷらしている司馬遼太郎。
その自由な筆致、しばりょにしか出来ない。

官兵衛が洗礼受けるともっと後だよな〜と思いつつ、官兵衛の矛盾するように見える性格というか性質が、一番よく説明されている気がします。
この巻は己の能力を持て余しつつ、下克上も性に合わないしな〜とくさくさしている二十代官兵衛。
『軍師の門 下』
 【火坂雅志 角川学芸出版】

上巻を読み終わってから間が空いてしまいましたが、なんだか割と飽きていて流し読みの下巻。
何が門だったのだろうな。

救出されてから、死ぬまでの下巻。
下巻の方が年数長いので、全体的に駆け足。
なんか、安っぽいんだよねぇ。
そういうことであまりこれといって感想がないですね。
『軍師の門 上』
 【火坂雅志 角川学芸出版】

秀吉の二人の軍師、半兵衛と官兵衛の出会いから、半兵衛の死までの上巻。
『天地人』の時よりはましだけれど、やっぱり周りの人間を下げて主人公を上げるという手法が見られる。
史実と違うとかそういうことよりそっちが気になる。

出会ってすぐに半兵衛に懐く官兵衛が多い中、思ってた人と違う!となって反感を持つ若官兵衛。
乙女かという。
終盤は結局仲良くなりますけど。
あんまり年が近い気がしない、半兵衛の方が5歳くらい年長に見える二兵衛です。
『黒田如水』
 【原田種眞 勉誠社】

序盤の方はじっくり書いているのだけれど、終盤になるにつれ一つ一つのエピソードがどんどんざっくり表記に。
文章もなんだか終盤は雑。
そして、途中から高山右近の方に比重が寄っていく。
丸々一章、如水いないけど!?みたいな部分もある。
歴史小説って脱線が多いのが常ですが。

本能寺で、秀吉に「御運が開かれましたな」と言った説を採用していないのが珍しいけれど、その後、似たようなエピソードを挿入してこれまたやっぱり秀吉の不審を買っている。
ただ、秀吉と如水が合わせ鏡のようであるという解釈は新しい。
もう一つ他と違ったのは、晩年、家康に毒殺されるというくだり。
若いといえば若い享年ですが、どうかなぁという気もします。

表紙がやたら怖いのでおうちには置いておきたくない気持ち。
『風渡る』
 【葉室麟 講談社】

先日読んだ『風の王国』はこれの外伝だったらしい。
あれを読んで疑問だった、ジョアンと官兵衛の関係とか、官兵衛が本能寺を画策したという経緯がこちらでわかりました。
よくよく読むと、官兵衛が画策したというか半兵衛に走らされたというか。
松永久秀や荒木村重の謀反、信長狙撃事件も半兵衛が裏で糸を引いていたという。
え、半兵衛最強説?
さほど出番はないのに、なんだかインパクトのある半兵衛です。息子助けるから信長殺してくれって、すごいな!あの友情物語的美談がこんなことに!

官兵衛の十代の頃から書かれていて、厚さのわりに珍しい。
とはいえ、伴天連のジョアンのことの方がより書かれている印象でした。
いや、そんな、ジョアンってよく知らんしその上出生の謎とか提出されても……というのが今回も正直な感想。

若い官兵衛が鮮やかにロザリオ巻き上げて海賊船にさっさと乗り込むシーンが好きです。
悪い子!

小説としてはなんだかあっちこっちに視点が飛びすぎてどの人物も掘り下げ切れてないような気がしました。
『蛟竜 風雲児黒田如水伝』
 【横山光輝 講談社漫画文庫】

三国志は吉川英治の三国志を元にしてたけど、これも吉川先生のを元にしてるような気がしました。
官兵衛が織田につくつかないもめてる時代から、荒木村重が謀反起こす直前辺り(つまり監禁すらされていない)までという短い期間の話し。
ここだけ見るととんだイケメン有能軍師です。いや、有能なんだろうけど、官兵衛は。
ならタイトル、如水ってつけるなよ、と思わなくもない。
あとここの時代だけ切り取って「チャンスに会わず、志もとげられず、恵まれない英雄であった」と言われても全然説得力ないので、あらすじ説明間違ってると思う。
ま、もっと先の時代まで描くつもりだったのかもしれないですけど。
読みやすくていいんだけど、なんだか不完全燃焼な短さでした。
『風の王国 官兵衛異聞』
 【葉室麟 講談社】

キリシタンとしての黒田官兵衛の側面を描く連作。
三話目くらいまで連作だと気づいていなくて、なんだか色々と飛ぶ小説だなぁと思ってしまった。
さらっと本能寺が官兵衛の謀略だったりして、えっと思うことがいろいろあったんですが、これもどうやら『風渡る』という小説を先に読んでおくべきだったかららしいと読後調べて気づきました。
どうも『風渡る』の番外編っぽい内容のようです。
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