日々読んだ本(漫画、映画、例外的にテレビドラマ)の感想を、
ネタバレあり、粗筋なしで書いています。
批評批判は目的ではなく、個人的な感想文です。
<< November 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

『透明な沈黙』
 【訳者:鬼界彰夫 透明標本:冨田伊織 青志社】

最近、急にウィトゲンシュタインが気になりつつ、いきなり哲学書は読めないなぁと思っていたところに出てきた本。
透明標本も一度じっくり見たかったので大変ありがたい一冊。

主に日記からの引用が多いので、独り言めいたことばが多い。
もうちょっとアウトローなのかと思ったんだけれど、意外と善良。

標本は哺乳類はやっぱりうわーという感じになるが、魚や爬虫類はきれい。
『もうひとつの場所』
 【野又穣 青幻舎】

画集。
架空の巨大な建造物、バベルの塔みたいなのや、マグリットの空中に浮かぶ城のような絵が並ぶ。
人はおらず、青空の下静謐にそびえていて、なんの建物なのかじっと眺めていたくなる。

個人的に、こういう建物を探索できるゲームあればいいのに、と思う。
ICOみたいな感じで。
『東京、音楽、ロックンロール』
 【志村正彦 ロッキングオン】

フジファブリック、志村さんのWEB日記をまとめたもの。
半年くら いかけてぼちぼちと読んでました。
日記の最初の方はいいのだけれど、だんだん年代が近づくにつれどうしても死因を探してしまうね。
もちろ ん、わかったところで・・・なんですが。
医者に「何年後かに死んじゃうよ」って言われた、なんて書いてあるとぎょっとする。

で も、そういうことを抜きにすれば、本当に寝ても覚めても(夢で作曲するくらい)四六時中音楽のことだけ考えていた様子がよくわかる。
楽しくて、同 じくらい切ない一冊になってしまったね。
『FAB BOOK』
 【フジファブリック 角川マガジンズ】

冒頭の沖縄ロケが、沖縄なのになんか暑くなさそうなのが、フジっぽ いなぁと一枚一枚微笑ましく眺めました。
4人個々へのインタビューも珍しいから、子ども時代の写真とともに楽しく。ご幼少志村さんは、子ども店長 みたいだなぁ。かわいい!
私が聞き始めた頃は既に4人だったので、5人時代のインタビューも貴重に感じました。

学食ぶらり旅も面 白かったけど(女子大生にリアクション良すぎる志村さん!)、フットサルで意外とみんな運動できることが判明。
出来るというのはなんとなく知って たけど、本当に動けるんだなぁ。ライブでもそんな活発な感じじゃないのに、意外。
ツイスターゲームは動画で見たかった。
物理的接触が苦手 なフジに笑いました。みんなかわいいなぁ。
ヨッスィーとの対談の嬉しそうな志村さん・・・初めてじゃないかというくらいの笑顔で写ってておかしい なぁ。

頭から終わりまでずっと、みんなかわいいなぁおもしろいなぁ、とたまに吹き出しつつ。
なんかもっとしんみり哀しくなるん じゃないかと思ったんだけれど、生前から作ってたせいか、ずっと可笑しくて、いいバンドだなぁとしみじみとファンでよかったなぁと思いました。
『誰が誰に何を言ってるの?』
 【森達也 大和書房】

街中にあふれる注意書きに、それっておかしくないか、と森達也らしい視点で語ってい る本。
もうすっかり馴れすぎて、いたるところにある「テロ警戒中」なんて気にも止まらなくなっているけど、でも確かに気になる注意書きはあるよ なぁ。
VOW的な意味じゃなくてさ。
外に出たら気にしてみよう
『どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか?』
 【中島義道 角川文庫】

なかなかぎょっとするタイトル。
偏屈哲学者の人生論。人生論っていうのかな、こういうの。読んだことないからわからないや。

大きくわけて、3章に分かれているのだけれど、最初の章はだいぶ共感する。
共感するというか癒される。
人生の素晴らしさを説かれるよりも、人生に意味などないと言われる方が私は救われる。
実際、意味なんかないと思って生きているんだけれど。
自殺してはいけないのか?は殺してはいけないのか?よりも答えるのが難しい問題ですね。
私は自殺したいとは思わないのだけれど、物心着いて最初に強く思ったのがどうにかして明日死んでしまえないかということだったので、人生の大半をそんなこと思って生きてると偏屈な人間ができあがるのだなぁと、しみじみした。
隠遁できるならいつでもそうしたいよ。

それにしても中島先生はすごく真面目なんだろうなぁと思った。
タイトルの疑問への回答は最後に書かれているけれど、きっとそれしかないんだろうな。
人生に意味なんかないと思ってしまった人は、哲学者になるか作家になるか芸人になるしかないのかもしれないね。
私はどれでもないけど。
『この芸人を見よ!』
 【ラリー遠田 CYZO】

ちょっと前に、地元の新聞でコラムをやっていた頃からなんとなく気にかけていて、『この芸人を見よ!』の連載も実はもう全部web上で読んでるんですが一冊にまとまったので改めて再読。

お笑いというものがどうしても評価される機会が少ない中、この連載はとにかく取り上げた芸人を褒める。
そこが好き。
また、その芸人にはそういう楽しみ方があったのかーという新しい側面も見えてきて、特に好きじゃない芸人のこともなんだか気になってくる。
くりぃむ有田の引き芸や、江頭が実は空気を読むと言う話しなど。
そこに賛同するかどうかは別として、今までまともにエガちゃんの芸を分析するような人もいなかっただけに、長年見ていたエガちゃんが最近なんだか気になります。
生では見たくないけど割りと嫌いじゃないんだ、エガちゃん。

ところでだいたいにおいてその通りだなと思うのだけれど、タモさんがアコムのCMに出たことによってなんだかがっかりしたのは、タモさんの聖人君子的イメージに消費者金融の広告塔になるということがそぐわなかったから、という解釈だったけれど、それはちょっと違うと思うなぁ。
消費者金融のCMの「借りて欲しいのに借りすぎるな」という自己矛盾というかきれいごと加減は、タモさんがいかにもつっこみそうな矛盾なのに、CMに出たということに衝撃というか意外性を感じたと思うんだけど。
少なくとも私は。
タモさんにそんないいイメージはないよー。
悪いイメージも無いけど。
『百年の誤読 海外文学篇』
 【岡野宏文・豊崎由美 アスペクト】

あとがきで岡野宏文が書いているように国内篇ほどとんでもな感じの本がなく、ツッコミもそんなに鋭くないので普通にブックガイドのようになってました。
やはり、翻訳されるだけあってそこまでとんでもなものはないのでしょうかね。

どうしても、『失われた時を求めて』と『ユリシーズ』は読める気がしない。
『いのちの食べかた』
 【森達也 理論社よりみちパン!セ】

魚市場はよく見るのに、肉の加工現場は全く見たことがない。
牛や豚がどこでどうやって殺されて肉になって店に並ぶのかまったくと言っていいほど知らない。

今は屠殺所って言わないんだな。と場と言うらしい。
肉の加工が隠されている背景にある、部落差別問題が後半の趣旨。
というか、ほとんどそちらがメイン。
北海道人には実のところ、部落問題があまりぴんとこない部分があるのですが、アイヌ問題に置き換えればちょっとは実感ができるかもしれない。

最近はちょっとずつだけれど、食肉に加工される過程を見つめることが重要視されてきてるかな、という気はしますが、まだテレビで放映されるほどではない。
その過程を無視することの方が残酷な気がしますね。
『スプーン 超能力者の日常と憂鬱』
 【森達也 飛鳥新社】

超能力者と聞くとどうもレトロな感じがするけれど、スプーン曲げともなると、失笑レベルの古さを感じる。
3人の超能力者を8年間追ったドキュメンタリーである。

森達也はその間ずっと、信じる、信じないの問いの前で煩悶する。
超能力そのものを信じる、信じない、について悩んでいるというよりも、その問いが発せられることに何か違和感を感じているかのように、執拗にこの問いの前で立ち止まる。
森の他の著作同様に、じれったいほどに迷い続ける。
だけど、そっちのほうが、私は、こうである、と言い切られるよりも信じられる気がする。

8年間取材して、森の前では色々な超常現象に類する現象が現れるが、それでも信じる信じないどちらにも傾けないのは逆に辛いように思うけれど、頑ななまでに間を彷徨う。
正直、私は3人の超能力者そのものよりも、自分の理解できない世界を見る3人を人間として信じようとする森のあり方を最も興味深く読んだ。

それにしても、TV見てても思うけど、大槻教授ってほんと感じ悪いな。
最近、FAMOSOってウソ雑誌で、大槻教授が実は宇宙人だったって記事が凄い秀逸だなぁと思って笑った。