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角川グループパブリッシング
¥ 580
(2008-12-25)
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【森見登美彦 角川文庫】
モリミー的片思い小説。
『太陽の塔』の時よりも、大分ファンタジー色が強いです。別にそんなにファンタジー入れなくてもいいんではないかなぁと思いつつ、妄想なんだかファンタジーなんだかよくわからない可愛らしさはモリミーの持ち味の一つなのでまあいいか、と。
珍しく、片思いする側の“先輩”視点だけではなく、思われる“黒髪の乙女”の視点との交互で、二人のすれ違い行き違いが楽しい。
なんだかメリーゴーラウンドのような小説。
「恥を知れ!しかるのち死ね!」などの森見的名言に、やたら共感しちゃって困った。
片思いの甘酸っぱさというより、片思いの暴走。でもやることは、偶然を装って遭遇するだけ。かわいい。
解説の羽海野先生のイラストが可愛くて、イメージ通りで、漫画化は羽海野先生にしてもらいたかったなーとしみじみ。
羽海野先生は先輩のイメージは森見登美彦本人だったと書いていたけれど、私は終始、乙女のイメージが本上まなみでした。