日々読んだ本(漫画、映画、例外的にテレビドラマ)の感想を、
ネタバレあり、粗筋なしで書いています。
批評批判は目的ではなく、個人的な感想文です。
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『楽しい夜』

映画はよく観てるんだけど、本は最近全然読めてないっすね・・・。

 

【編訳/岸本佐知子 講談社】

 

いろんな短編が詰まっていて、そのどれもが読書の楽しみにあふれている。

 

「ノース・オブ」 マリー=ヘレン・ベルティーノ

 

ボブ・ディランを連れて、戦場に発つ兄に会いに実家に戻って来たわたしの話し。

ボブ・ディランはほぼしゃべらないのでこれは本当にボブ・ディランなのだろうか・・・ということばかりに気を取られ。

しんみりするのにシュール。

 

「火事」 ルシア・ベルリン

 

末期の癌におかされている妹に会いにやってきたわたしの話し。

妹と再会した空港が火事になるので火事っていうタイトル。

再会の一瞬に、二人の姉妹の思い出を織り交ぜながらスピーディに展開していく。

 

「ロイ・スパイヴィ」 ミランダ・ジュライ

 

ひょっとしたら人為の大きな分岐点を見過ごしたかもしれないということを、ずっと後になって気が付くというのは絶望ほど強くもないけど、その後の人生をひどくしんどく感じさせるな。

 

「赤いリボン」 ジョージ・ソーンダーズ

 

一匹の病気を持った犬が子供を噛み殺したことから端を発して、村ではその対処がどんどんエスカレートしていき感染している犬だけではなく、犬以外も処分していくようになっていく。

エスカレートしていく様は怖いんだけど、娘を失った父親の語りはそれはそれで真に迫る。

 

「アリの巣」 アリッサ・ナッティング

 

本書の中で一番おかしな話し。

「地球上のスペースが手狭になったので、人類は全員、他の生物を体表もしくは体内に寄生させなければならないことだった」

から始まる。もうすでに奇妙な設定だけど、女優の「わたし」は見た目が変わらないように、骨の中でアリを飼うことにする。

グロテスクなんだけど、淡々と進むのでこれはこれでよいのか、と思ってしまうが、やっぱり気持ち悪いな。

他の作品も読んでみたい。

 

「亡骸スモーカー」 アリッサ・ナッティング

 

前出と同じ作家。葬儀場で働いている男は遺体の髪をタバコのように吸うことで、生前の記憶を見ることが出来る。

そんな男に恋しているわたしが、告白するよりも自分の髪の毛を吸って気づいてもらいたいと思う。

やっぱりちょっと薄気味悪いけど、前の話しよりは軽めで、かわいい印象すら抱く。

 

「家族」 ブレット・ロット

 

喧嘩を始めた夫婦が子供たちがいなくなっていることに気が付く。

子供達は意外な場所で意外な姿で見つかる。

 

「楽しい夜」 ジェームズ・ソルター

 

三人の女性が他愛無い話しをしているありふれた夜の話しかと思ったら、そうではないということが最後にわかる。

 

「テオ」 デイヴ・エガーズ

 

大きな山のような人間の話し。

ダイナミックで繊細。

 

「三角形」 エレン・クレイジャズ

 

喧嘩してしまったパートナーに、お詫びの品としてナチ時代に同性愛者につけられたワッペン(これが三角形)を買う。

このプレゼントをしてしまったがために迎える結末はちょっと声が出そうになるくらい怖いし無残。

 

「安全航海」 ラモーナ・オースベル

 

おばあちゃんばかりが乗った船、これはたぶん死出の旅。

どうして祖母ばかりなのかはわからないけど、海は晴れていてのどかで美しく、おばあちゃんたちもなんだか溌剌としている。

そういう美しい死出の旅であればという願いを感じる。

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