日々読んだ本(漫画、映画、例外的にテレビドラマ)の感想を、
ネタバレあり、粗筋なしで書いています。
批評批判は目的ではなく、個人的な感想文です。
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『新青年傑作選 君らの狂気で死を孕ませよ』
【編:中島河太郎 角川文庫】


「活字好きに100の質問」で「復刊されたら読みたい雑誌は?」ていうような質問がありましたけど、新青年はその一つです。
幻影城って答えてましたが。うっかり書き忘れたもので。
なんで、私はそんな戦前の雑誌を知っているのかと言うと、図書館の書庫整理をやった時に見つけたんですね。
心ときめく作家さんが名を列ねている雑誌です。

で、この本はタイトルに惹かれ、新青年に惹かれ、そして乱歩さんおるし、てなわけで読みました。
「死体昇天」角田喜久雄
謎めいたタイトルですがね、内容見るとなんだってなりますね。
死体が木に引っ掛かって、なかなか発見されなかったってだけの話しですから。
ラストの和やかな雰囲気もなんだかな。
まあ、殺人事件ではなかったからそれでよいのかもしれません。

「精神分析」水上呂理
フロイトの精神分析自体に、疑問を抱く私にとっては疑問だらけの小説ですよ。
女性の奇行をフロイトの精神分析で全部説明されたのでは敵いませんな。
そりゃあ、性的抑圧もあるでしょうけどー。
精神分析だけで推理されるとなんだか誤魔化された心持ちになります。
これも殺人じゃなく、他愛無い事件だからまだよしとしましょう。
初めて精神分析を取り入れた功績もあることですし。

「人間灰」海野十三
考えてみれば、おどろおどろしいですな。
真夜中に湖を船で渡っていたら、雨が降ってきて、実はそれは細かくされた人肉だったって言うんですから。
ええ、気持ち悪い気持ち悪い。
別に最後に探偵出てこなくってもいいじゃないの。

「睡り人形」木々高太郎
ちくま文庫の『監禁淫楽』ってアンソロジーに収めた方がいいんじゃないかね。
なかなか楽しいですけど、結局屍姦魔とでも言うんでしょうか、にならなくてもいいじゃないかという気もしましたが。
奥さんを人形にしただけでは駄目ですか。
駄目かもしれませんねぇ。

「秘密」平林初之輔
なんでこう、戦前の文学作品にしてもすぐに自殺に走るんでしょうかね。
感想はそれだけです。

「四次元の断面」甲賀三郎
浮気した奥さんを殺しちゃった男が、裁判でまんまと無罪になり、いざ浮気相手の男に復讐しようとしたら、実は浮気は自分の思い込みだったが、今更自首しても取り合ってくれない悲劇。
と、思ったら本当は浮気してたって話し。
シニカルなオチって言われればそうですけど。

「閉鎖を命ぜられた妖怪館」山本禾太郎
化け物屋敷好きと聞いて、多々良先生を思い出しましたが、化け物屋敷好きの弁護士さんの話し。
まあ、大した話しじゃないですね。
妖怪館の閉鎖とこの事件とはあまり関係なかったですし。
もっとおどろおどろしいのかと思ったのに。

「陰獣」江戸川乱歩
いいですよねぇ。淫靡で。
結局奥様の自作自演だったのか、それとも謎の作家が存在していたのか。
それとも他に・・・?
大江春泥の著作は乱歩自身の著作のもじりであることになにか意味があるのかと、疑ってしまいましたけど疑いすぎですかね。
乱歩さん好きですねぇ。


戦前のこうした探偵小説って、怪奇・猟奇・淫靡が漂っていて、現代のロジカルなミステリーよりも好きです。
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